高熱も熱が下がり、37度台になった。熱が下がるだけで気持ちがマシである。少し回復したので、ベッドで寝てては平衡感覚を失い始めているような感覚に襲われ、ソファで黒澤明監督『どですかでん』鑑賞。
とても良い映画だったので、色々と書き記したいが、書けそうもない。人の描き方が黒澤明監督の人間性を映し出しているようでとても輪郭があり、人の関係性や扱い方がとても上品で丁寧だと思った。特にホームレスの親子のしめ鯖のシーンが秀逸だった。息子が、横丁の残飯のしめ鯖をもらってきた際に、魚屋の店主から「古いから火を入れて食べてよ」と言われた。しかし、教養のあるホームレスの父、舞台は戦後であるため元文化人と予想できる、「君、なぜお湯を沸かしているのだ?これはしめ鯖だよ、しめ鯖というのは塩と酢で締めてあるからこのままでも食べられるんだよ、火なんか入れたら美味しく無くなる」と言ってそのまま食べた。結局、二人は食中毒になった。古いシトロエンの中で生活し、メタボリズムのような現代建築を夢想し、知識に溺れていくような姿。戦後の具体的な生活が必要な時代に、具体的な生活の中で身体を使って必死に掴もうとする人々の暮らしの隣で、過去の教養や知識に執着し、結果的に非教養な姿を見せている。現実感のなさをアイロニーで表現していた。
もう一つ、妻に捨てられ人間不信になった一人暮らしをする男性が、妻の帰還後も無言を突き通しながらも、お米をいつもより1合多く炊こうとしたシーン、そしてそれに気付かず妻が「口も聞いてもらえないのですね」と扉から出ていくシーンににぼくはとても感動した。米を1合多く鍋にいれるだけで人は誰かの心を揺さぶれるのである。
とても良い映画だったので、色々と書き記したいが、書けそうもない。人の描き方が黒澤明監督の人間性を映し出しているようでとても輪郭があり、人の関係性や扱い方がとても上品で丁寧だと思った。特にホームレスの親子のしめ鯖のシーンが秀逸だった。息子が、横丁の残飯のしめ鯖をもらってきた際に、魚屋の店主から「古いから火を入れて食べてよ」と言われた。しかし、教養のあるホームレスの父、舞台は戦後であるため元文化人と予想できる、「君、なぜお湯を沸かしているのだ?これはしめ鯖だよ、しめ鯖というのは塩と酢で締めてあるからこのままでも食べられるんだよ、火なんか入れたら美味しく無くなる」と言ってそのまま食べた。結局、二人は食中毒になった。古いシトロエンの中で生活し、メタボリズムのような現代建築を夢想し、知識に溺れていくような姿。戦後の具体的な生活が必要な時代に、具体的な生活の中で身体を使って必死に掴もうとする人々の暮らしの隣で、過去の教養や知識に執着し、結果的に非教養な姿を見せている。現実感のなさをアイロニーで表現していた。
もう一つ、妻に捨てられ人間不信になった一人暮らしをする男性が、妻の帰還後も無言を突き通しながらも、お米をいつもより1合多く炊こうとしたシーン、そしてそれに気付かず妻が「口も聞いてもらえないのですね」と扉から出ていくシーンににぼくはとても感動した。米を1合多く鍋にいれるだけで人は誰かの心を揺さぶれるのである。