メニューにカツカレーと書いていて、そのカツがポークではなくチキンだった時にはゲンナリする。今日の機内食での出来事である。そして、器のサイズに似つかない小ぶりでどこか誰かの食べさしにような佇まいをした一枚のチキンカツ。それを助長するかのような少量のカレールーと米。それは、もりそばに対したワサビの割合のようだった。カレーもそれ自体を構成するスパイスや辛さが、ワサビ同様に本体の味を際立たせる存在になり得るのだろうか。今日のカツカレーにおいてはその解釈では、不可能である。左隣の女性も同じようにカツカレーを注文していたので、その容器の中身が気になり目で開封を追ってみたが、隣の女性の容器には、カツが2枚入っている。そして、理解しうる量のカレールーがそこには明らかに存在した。そして、通路を挟んで右隣の男性のトレイを覗き込むとまだカレーは開封前だった。カレーかニョッキなので、ニョッキの可能性もあるなと思いつつ、チラチラと彼のトレイを覗いていると、彼がその容器を手に取り、上にかかっているアルミニウムを剥がした。中からは、器の存在に感謝をするかのような適正な量の米と、茶色く艶やかに光るカレールー、その上に小ぶりながらキレイな楕円を描いたチキンカツが2枚乗っていた。感情を表情に出さないように目線を自分のトレイに戻し、黙々と目の前のチキンカツカレーを食べた。食べ終わった時に、ぼくはチキンカツが1枚しか入っていなかったことに少し喜んだ。