身体が痒くて目が覚めた。時々、定期的に夜中4時ごろに無性に身体の一部が痒くなり目が覚めることがある。いつも同じ場所である。色々調べると、朝方に副交感神経と交感神経が切り替わるので、これはある一つの自律神経の障害ではないかと思うのだ。それに加え、今日は奇妙な夢を見た。12月に自分の皮膚の作品を展示しようとしていて、ずっと掻かないように、傷をつけないように、自分の皮膚を育てるように日々メンテナンスをしていたのだが、夜中の無意識の時間に我慢できなくなってしまい思いっきり掻きむしってしまった。そして、その箇所に大きな傷がついたところで目が覚めた。ぼくは、起きた瞬間、違う角度から平面作品ではない立体作品を作ろうとしていたということに気付き、安心するのだが、同時に身体に実際についた繰り返される大きな傷とその痛みに絶望的な気持ちになるのである。その傷が、治癒しないのは、ぼくの忍耐力のなさでもあり、抗うべき老化や日々の怠惰からの免疫力の低下なのではないかと思い、この大きな傷は「今」を表す具体的な存在であるが、それは過去の怠惰の結晶であり、これからも繰り返されてしまうのではないかという未来への不安さえをも象徴しているのだと思った。しかし、起きて少し冷静になった頃に、ぼくは自分の皮膚の作品を展示しようとしているのではなく、壁についての写真作品を展示しようとしているよな、と我に帰った。しかし、その傷は具体的に現実の身体にしっかりと残っていた。