2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2025.6.17

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2025.6.17

アヤさんに彼女のyoutubeチャンネルを教えてもらったので、彼女の作曲したDouble-faceを聴いてみた。以前、楽譜を見せていただいたことがあったのだか、その時は、ぼくは楽譜が読めないので申し訳ない気持ちを隠しながらそこに描かれている音を読み解こうとした。満ちているものから剥ぎ取ることによって絵を浮かび上がらせるという行為に感じ、個人的にはとても興味深く感じた。 絵画のように線を描き色を加えるように、音楽は音を鳴らし重ねていくことで出来上がっているのかと勝手に思っていたが、彼女のこの曲は、そこにあるものをどう削ぎ落として絵を浮かび上がらせるか、というような狙いがあるように思えた。それは、写真家が「そこに世界がすでにあること」を前提として、世界をどう切り取るか、ということに似ている。 今日感じたものと同じような言葉を使うなら、写真を撮ることも、世界をどう削ぎ落として絵を浮かび上がらせるかという行為である。 と自分が行っている行為と似た側面を見出そうとこんな風に書いたが、ものすごい強度のある作品であったので、同じ行為だとは言うべきではないだろうと、ここまで書いて思った。 なんとなくぼくの頭に描き出された絵は、ほとんど真っ黒に近い、リヒターのアブストラクトペインティングのようなものの向こう側にちらっと水墨画のような風景がちらりと垣間見えるような感じだった。