コーヒー屋で隣に座っていたアメリカ人だろう女性が、
「He grew up in weird small country near Saudi Arabia」
と話していて、聞き耳を立てた。
正直にいうと、聞き耳を立てなくても勝手に耳に飛び込んできてしまうくらい遠慮もなく大きな声でにぎやかに話している。他に客はいない。そして、コーヒー屋の店員は客のこない夕方の閉店までの時間カウンター内の背の高い椅子に腰掛け、本を読んでいる。
もう人がGoogleマップを見て、「クウェート?パキスタン?」などとそのweird small countryを当てようとゲームをしていたのだが、
読んでいたHugh Corcoran『Two Dozen Eggs』の文章を目では追っているが内容が頭には全く入ってこない。さらに、オマーン、バーレーン、シリア、イラクと当たるはずもなく、国名の読み方もわからないことに二人は大笑いしていた。
この世界に「奇妙な」小さな国など存在するのだろうか?ある人がそこで生まれ、生活がある。もし自分がその国の何をも知らなくとも、国であり、住人がいる。彼ら彼女らにもぼくたち同様に愛する人がいて、些細なことに嫌な気分になったりもする。遠距離にいる家族に想いを馳せたりもしている。同じように流行りのポップソングだって口ずさむ。
オランダに来てからコーヒー屋やパン屋の隣の席から不思議な心ない会話が聞こえてくることが多くなった。時代の変化なのだろうか。オランダ人だけではなく、ここに住む人たちは思慮深く想いを馳せることをしないのだろうか。たくさんの人が働きにきて、グローバルな国家だと言われているが、学生も大人もある時期が来ると去っていく。人々が行き交う国で、残ったものや残されたものたちが膝を突き合わせて話すとか、裸の付き合いがなく、その土地の土着的なものを捨て、瞬間的な「同調」というコミュニケーションによってのみ文化を形成しているとするとその世界は不幸せだと思う。
「He grew up in weird small country near Saudi Arabia」
と話していて、聞き耳を立てた。
正直にいうと、聞き耳を立てなくても勝手に耳に飛び込んできてしまうくらい遠慮もなく大きな声でにぎやかに話している。他に客はいない。そして、コーヒー屋の店員は客のこない夕方の閉店までの時間カウンター内の背の高い椅子に腰掛け、本を読んでいる。
もう人がGoogleマップを見て、「クウェート?パキスタン?」などとそのweird small countryを当てようとゲームをしていたのだが、
読んでいたHugh Corcoran『Two Dozen Eggs』の文章を目では追っているが内容が頭には全く入ってこない。さらに、オマーン、バーレーン、シリア、イラクと当たるはずもなく、国名の読み方もわからないことに二人は大笑いしていた。
この世界に「奇妙な」小さな国など存在するのだろうか?ある人がそこで生まれ、生活がある。もし自分がその国の何をも知らなくとも、国であり、住人がいる。彼ら彼女らにもぼくたち同様に愛する人がいて、些細なことに嫌な気分になったりもする。遠距離にいる家族に想いを馳せたりもしている。同じように流行りのポップソングだって口ずさむ。
オランダに来てからコーヒー屋やパン屋の隣の席から不思議な心ない会話が聞こえてくることが多くなった。時代の変化なのだろうか。オランダ人だけではなく、ここに住む人たちは思慮深く想いを馳せることをしないのだろうか。たくさんの人が働きにきて、グローバルな国家だと言われているが、学生も大人もある時期が来ると去っていく。人々が行き交う国で、残ったものや残されたものたちが膝を突き合わせて話すとか、裸の付き合いがなく、その土地の土着的なものを捨て、瞬間的な「同調」というコミュニケーションによってのみ文化を形成しているとするとその世界は不幸せだと思う。