CL決勝。PSG vs インテル。矛盾対決と言った感じで、興味があったが、結果は、矛の勝ち。いや、フットボールにおいて矛盾という感覚は存在しないのか。どちらも得点を取らないと勝てないわけだから攻めるために守り、攻めるために攻めるという戦術。個人的には、ポゼッションのPSGと守ってカウンターのインテルという戦術的な矛盾の側面よりも、決勝のような舞台では、若者たちの野心と勢いが成熟したものに勝るという構図が興味深かった。5-0という決勝戦に相応しくない結果はどう考えても「若気の至り」による勝利だ。もちろんインテルが勝っていたらまた違う教訓のようなものを得たかもしれない。
それから、身体は小さいが知性と技術でゲームを支配する選手が中心にいるチームが勝ったというのが社会にとって大きな意味を持つような気がした。PSGのヴィチーニャのような体躯に恵まれているわけではない選手がピッチの中央で、知性と技術で、チームと時間を支配する姿は少なからず、フットボールの外にある社会に影響を与えたのではないか。
ぼくは、別にPSG、インテルのどちらのファンでもない、そして熱心に今年のCLを観ていたわけでもないが、それでも一人で過ごしている中で、21時から映画を観るかCL決勝を観るかとなったら、なんとなくCL決勝を観戦しようと思った。リアルタイムを掴まないと、ぼくはこの部屋で時間に取り残されるような気がしたからだ。