2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.5.18

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2024.5.18

朝から聖子ちゃんが殺気をまとって黙々と新作の制作をしているので、ぼくはカメラを持って家を飛び出して街をサイクリング。天気がいいので、歩いている人たちも楽しそうだ。昼食を食べ、一服がてらPompernikkelへ。ぼくも聖子ちゃんもカプチーノ。カプチーノが3.7ユーロに値上がりしていた。円安に拍車をかけるように物価高。Ekoplazaに立ち寄ってミルクとケーンシュガーを買って帰る。前に来た時に、新作のヴィーガン抹茶バーを無料でもらえるチケットをもらったので、今日レジで支払いのついでに「このチケットは使えますか」と聞いてみたが、「今日は在庫がない」と言われた。前回も同じことを言われたので、来る時間が悪いのか、そもそもそんなに在庫がないのか。いや、そもそもヴィーガン抹茶バーなんてものは全く存在しないのかもしれない。EkoplazaのあるWeimarstraatでは歩行者天国のマーケットをやっていた。デン・ハーグでは、もしかするとオランダでは、なのかもしれないが、毎週末こんな風に街のどこかの通りでマーケットをやっていて散歩していると時々遭遇するが、どのマーケットでもかかっている音楽がどうも懐かしい。それは、心が揺さぶられる懐かしさとは違って、なぜか心がキュッとしてしまうような音楽なのである。たとえば、David Bowie「Let's Dance」などを聞くとどうも心がキュッとしてしまわないだろうか。マーケットといっても都市部のあれではなく、ガレージセールとフリーマッケットと文化祭と子供のお遊戯会をミキサーにかけてオーブンに入れたようなもので、それに拍車をかけるように音楽がまたそれなのでノスタルジーを感じるというのではなく、田舎のお祭りという印象を受けている。昔からこれが当たり前だと思っていると楽しいマーケットでしかないのかもしれないが、ぼくは歩いていると喉の奥がキュッとなり、変な味がして声がでないということさえある。その後、本を読むために自転車で海に向かった。ビーチで寝転がりながら和辻哲郎のものをいくつかを読んだ。
帰って、玉ねぎとサーディンとバスマティライスとカレーパウダーを入れ、炊き込む。ステラの散歩に行くと、街中がとても賑やかだった。ステラが機嫌良く歩いてくれると天気もいいのでどこまでも歩けそうな気になる。胸を張って背筋を伸ばして歩いているとステラも従順な態度で歩いてくれる気がする。帰ってから、聖子ちゃんがひとまず完成させたモックアップを見てああでもないこうでもないと話していた。今日は、ほとんど家の外にいたような気がする。