2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.3.14

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2024.3.14

ベッドルームの枕元に大きな窓があるのだが、今朝7時前に目が覚めると、朝らしい青色を帯びた空が窓いっぱいに広がっており、そのまま聖子ちゃんを起こして、朝からビーチへ行く。暖かい太陽の日差しが降り注ぎ、街を行き交う人もぼくらと同じように気分が良かったのだろう、自転車に子供を乗せて学校へ送っているお父さんも、出勤する女の子も、犬の散歩をしているお爺さんもみんなどことなく笑みを浮かべている。ステラも海が近づくにつれ笑顔を見せていた。暖かい日差しは、それだけで人を幸せにする。人だけではない、動物だって植物だって、それに触れる建物だってみんな同じである。こんな日はカフェに行かねばとビーチからの帰り道にPompernikkelへ。昼、荷物の受け取りにUPSのアクセスポイントに行こうと思い家を出ると、家から1分のところにあるBowieというトレンディなカフェのテラス席は、太陽を待ち侘びた人々で溢れていた。夕方、ステラの散歩に行くと、まだ昼の暖かい日差しを浴びた空気がそこら辺をふらふらとしていて、生暖かい。Bowieの前はまだまだ浴び足りないといったように顔を少し赤らめた男女で溢れている。夜が来ることを伝えるような青みがかった色の中を歩いていると、子供の頃に行った花火大会の後のような、サッカー日本代表の試合を観戦に行った後のような、ここにいる全員がふわふわしていることが空気に伝わっているかのようで、Tシャツの上に薄いカシミアのニットとレザーを羽織っていただけだが、レザーのボタンを閉める必要もなかった。夕飯のスープの火をかけていなかったら、どこまでも歩いてしまいそうだと思った。Bowieのカフェで座る赤い顔をした男女の横を通り抜け、その先にあるアール・ヌーヴォー建築の住所群にオレンジ色の夕日があたるのを見ているとぼくは思わず、世界中にいるぼくの友人に向けて大きな声でここに来た方がいいよと叫びたくなった。ステラも歩幅を合わせるように歩いていた。彼女もきっと幸せだったに違いない。グレーな日々が続くと、晴れの日の喜びは計り知れない。