昼過ぎ、アムステルダムシティセントラル駅前からフェリーに乗り、対岸のアムステルダムノースへ。実際、ぼくはどこがアムステルダムのノースエリアなのかはよくわかっていない。この前、会ったRosanneの友人Nickは、「毎週土曜日にノースでファーマーズマーケットがあるでしょう?あの辺りに住んでいるよ。あ、毎週行ってる?Noordermarktは土曜日の朝のルーティンだよね」とマーケットのあるあたりのことをノースと言っていた。でもHuis MarseilleのGillesは、「今ぼくが君たちの状況だったらフェリーで渡ったノースエリアに家を借りると思う、フェリーも自転車で乗り込めるし、セントラルまで実は5分もかからないから」と言っていた。民間伝承のようにどんどんと言葉で伝えられ続けて、実際の住所はノースではないのに、そのエリアはノースと呼ばれているなんて事になっているのだろうか。「このエリアはどうなの?」とか、日本で住んでいて日常会話に出てこないような語学留学生がするようなつまらない質問をしたくないので、ノースがどこか問題は、人々との会話の中で探り当てる事にする。ぼくにとってはノースがどこかなんてどうでもいい話でもある。実際、どれだけ調べても、民間伝承の方が捻じ曲がっていてリアリティがあって面白い。毎日、Google mapを片手に最速ルートを歩いていてもつまらないではないか。もちろん、今日も特に予定もないので歩き続ける。初めてフェリーに乗った。Nxt MuseumのカフェMETROで一服。さらに歩いて、Eye Film Museumに立ち寄り、フェリーで帰路へ。家に帰ると、ずっと届いていなかった本が届いていた。12月初旬にオンラインで購入して、12月19日到着予定とメールで届いており、さらに前日には14時から14時15分に到着しますよと親切にメールが届いていた。さらに、19日には投函完了のお知らせまで届いていた。しかし、ポストは玄関の扉についているので、投函されると大体家の廊下に落ちているはずなのだがない。その後、隣人に聞いてみても届いていないといわれ、配達業者dpdに電話してみたところ、361に届けているみたいだと言われた。同じ通りの361に行ってみるも、実際のところ361なんていう住所は番地は存在せず怒りの電話をdpdに入れるも、調査しますとのことだった。それからいくつかの書類を提出していたのだ。半ば諦め気味だったのだが、届いた。ハーマン・メルヴィル『Billy Budd, Bartleby, and other stories』PENGUIN CLASSICSから刊行されているも、この中に掲載されているBartlebyが読みたかった。夕食を食べながら聖子ちゃんに買った本がやっと届いたと話していたら、「その本どんな話なの?」と聞かれ、脳の皺に綿棒をなぞって、そこにある何かを集めるように言葉を紡ぎ出し、「事務所で働きながら、仕事をうまく断りながら仕事をせずに事務所に居座り続ける話だったはず」と答えた。すでにどんな理由でこの本を買ったのかをすっかり忘れてしまっていた。あとでwikipedia調べてみると、曖昧に答えた割にはかなり正しく答えられれいたようで、自分の脳もまだまだ衰えていないなと思った。