2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.1.1

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2024.1.1

読者皆様
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
旧年中は、格別のご厚情を賜り、無事に新しい年を迎えることができましたこと、心より感謝申し上げます。
本年は、新天地オランダにて日々の湧き出る思考を少しでも言語化できるように一層の根気と継続性をもって、続けていく所存です。

今一度、さらなるご指導、ご鞭撻をいただけましたら幸甚と存じます。
皆様の益々のご発展、ご健勝を心よりお祈りしつつ、本年もこちらの文章を何卒宜しくお願い申し上げます。

JUN IWASAKI 2024年 元日


花火の余韻か、街はとても静かである。ふらっとステラの散歩のついでに街を徘徊してみるが、本当に人がいない。車も走っていない、タクシーだけが動いている。旅行客らしい格好の人がちらほら歩いているのを見かけた。鯛を焼いた。静かに過ごしていたので気付いたら真っ暗になっていた。お世話になった方々にメールで新年の挨拶。ちなみに、昨晩は紙に富士山の絵を描いて、枕の裏に忍ばせてまで良い夢を願ってみたが、2024年の初夢は、親の通帳に2円しか残っていない夢だった。これはぼくが頑張らないといけないと思い、力が入って起きた。キュレーターの原くんと挨拶を兼ねてメッセージをしていたのでこの話をしたら、「リア王の教え通り、巨頭負うものは全て失いますね」と言われた。時計をみると8時20分。何事も欲張って多くを求めてはいけない、彼女にだって多くを求めてしまうから言い合いになるのだ。

さて、未来から自分自身の2024年を振り返る正月恒例の文章
2024年は、2023年の年末の忙しさを切ることができずにスタート。1月はとにかく移動が多く、ビザも生活も安定しないので、心を平常に保つのが難しかった。新居に入ってからは、家での生活が楽しくまた新たな生活を強く感じるシーンが増えた。昨年9月に日本を離れ、半年以上借りぐらしでの生活をしていたので、自分のものに囲まれるということの嬉しさと重要性をつくづく感じた。3月、少し寒さもピークを過ぎたので、身体を鍛えはじめる。身体の不安は、心を悪くする。不安を解決する最善策は、行動なのだ。身体を鍛え始めると、自分の凍っていたエモーションが戻ってくるのを感じた。、もう少し暖かくなってきた頃にデン・ハーグで小さな展示を開催する。夏を迎える前に、新しい本が2タイトル完成しオランダで初めてのブックローンチを開催。やっとここが自分の居場所であるということを実感する。ここが自分の根を下ろすべき場所なのかもしれない。夏は、友人たちが訪ねてきてくれて、楽しい日々を過ごす。ビーチのある街に住むことにしてとても良かったと実感する。9月、やっと自分の展覧会をすることができた。さらに本を1タイトル刊行。10月は、東京に弾丸で帰り、仕事。今後の一つの形を見出す。今年はやっとヨーロッパでの拠点作りがスタートした年で、これまで10年ほどモヤモヤしていたところに一筋の光が差し込んだような年となった。その光は、待っていて来たものではわけではなく、一歩ずつ、いやむしろ一歩どころでもなく、地面にすりながらでも足を前に動かすことによって生まれるのだと実感した。綺麗に足を上げて、大きく一歩を踏み出すことができなくても、向かうべき方向があり、靴底が剥げ落ちるくらいにすりながら歩こうが、そちらに転がりながらでも少しでも動き出すことがとても重要なのだと思う。動き出すと、先が見えずにいた道が、実は見えなったのではなく、なだらかな下り坂だったので、単純に見えなかったのだという事に気づき、さらに転がるだけでも結構進むなということに気付いたりする。今年の抱負だった「やる!」ということをここ数年の中でも一番できたんじゃないかなと思う。