2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2022.9.5

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2022.9.5

夜は、そうめんを食べる。まだまだムッとする残暑が続いているので、さらっと食べられる食べ物は、満員電車の中にふっと吹き抜ける外気のように気分をあげてくれる。
そうめんは茗荷とすりごま。しそ昆布、沢庵、茎わかめのナムル。食後に抹茶を点てる。聖子ちゃんがお茶菓子として田園調布あけぼので麩饅頭を買っておいてくれた。ぼくの今現在の抹茶の指南書とも言えるものは、勅使河原宏の映画『利休』と、一保堂でもらった点て方マニュアルのみである。勅使河原宏の映画『利休』で観た抹茶の点て方と、一保堂でもらった点て方マニュアルのようなもののみを元に自分で点ててみているが、想像以上に難しくなく、素人でもそれなりのお茶を点てることはできる。が、まだ正直、何が正解であるかが見えてこない部分があるので、簡単に点てられるというのは時期尚早だとは思うのだが、本物を知るには抹茶をたくさん飲むことしかないだろう。抹茶とお湯の分量、お湯の温度、器の形と、それにあった茶筅の動かし方、どのくらい器に茶筅の先を当てるのか、どのくらいまで点って来たところで茶筅の動きをどうかえるのかなどなど。エスプレッソを作るのと同じ原理だろうし、また、ラテのフォームミルクを作るのと同じような原理で、どのくらいまでスチーマの先端をミルクに突っ込むのか、角度は、などなど。動きの原理とものの構造を理解していくと自ずと方法論が見出せるような気がした。ぼくは文系なので、ある程度ものを考えるときには理論的ではあるのだが、一方で感覚を重視するあまりに徹底的に数値化や理論化することはせずそこに余白を残すことによる美学を大切にしている。気分や感情、その時の環境などが影響を与えることは言うまでもなく、味の良し悪しもそれらに影響されながら常に変化している。それは味本来の変化もそうであるが、自分自身と受け手(飲む側)も同様にである。うまく点てるのはコツさえ掴めば簡単なのではないかと思える。お茶のしきたりはぼくにはわかりそうもない。