2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2022.9.11

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2022.9.11

Stellaとランニングへ。河川敷の風景は変わらず、この時期には草が刈られることもなく、ぼくたちが歩く通りを遮るかのように背の高い雑草が生い茂っている。ここでは、同じ時間に同じ人が同じ服装をして走っている、犬の散歩をしている、座っている。日々全く変わらない風景がここにはある。ぼくも向こうからすると、ピチピチの袖のオレンジのランニングウェアを着てサングラスをかけ口髭を蓄えた30代の男性がキレイな目をした白と茶色の混じった毛の健康的な犬と一緒に走ってくると思われているのかもしれない。ピーターウィアー監督『トゥルーマン・ショー』の世界である。
今日は、Stellaがなぜか異常に走るので、こちらもなかなかのスピードで走らなければならず、恥ずかしながらワクワクしてしまった。猛ダッシュをしないとついていけないほどに走っていて、それも200mくらいノンストップで走り続けた。
大江健三郎『日常生活の冒険』を読み進める。大江氏はこの作品を「『日常生活の冒険』など、愛好してくださる読者はいまもあるようなのですが、技法、人物のとらえ方など、小説の基本レヴェルを満たしていない。」と評価していないらしいが、ぼくにとっては、忘れていたあの頃の感情、自分自身の止まっているやり終えていないミッションへの熱意など、これほど心を揺さぶるような自分自身に勢いを与えてくれるような作品にはあまり出会えないと思うほどにグググと引き込まれている。それは満月の日の波の満ち引きのようで、一度引き込まれるとうんと遠くまで流されてしまい、二度と戻って来れないと感じてしまうほどである。
聖子ちゃんと、また些細なことから大喧嘩に発展する。お互いにイライラとしているのだろう。