昨日、自分一人ではどうしようもない存在に対峙して、その事実が自分が思い描いていた人生と違うということに少し絶望的な気分になっていたのだけれど、そんな気分の中でメゾンエルメス フォーラムの展覧会へ行く。現在、開催中の写真家 田口和奈さんの展覧会『A Quiet Sun』で置かれていた彼女自身が自費出版で刊行した書籍の中に、「死を意識して生きている生き物は人間だけだ」と書いていて、なるほどなと思った。それは、レヴィ=ストロースのどのタイトルか忘れてしまったが、からの引用だそうだ。死を意識することは、それ自体少し不思議な感覚で、犬や他の動物は自分が死ぬということをあまり知らないというのである。ぼくたち人間のように、恐怖とかそういうものが死と直結しているわけでもないというのだろう。実は、それはStellaを毎日観察しているとよく思うことでもあって、彼女はどんどん興奮してどこまでもどこまでも途方もないほどに走っていく。怖がらずにどんどこどんどこと突っ込んでいく。
「度胸がある」という表現が人間の使う言葉の中だと近いのかもしれないが、一方で彼女自身は驚くほどにビビりなのである。分離不安なのかと心配になる程ビビリでもある。だから、その彼女自身が感じているであろう恐怖というものが、彼女にとっては死と直結していないように感じられる。死と直結していると、ビビリの生き物は何事に対してもビビリであるように思えるからだ。
羽鳥操『野口体操入門』読み始める。小作ことが芸術の真髄だと考えていた彫刻家が、筋肉をつけることによって、壮大な作品を作れるようになったという話が書かれていたが、なんか妙に納得。
話は戻って、田口和奈さんの展覧会『A Quiet Sun』、気分がスッキリとする展示だった。世に出る作品は捨てられるものではないから、丁寧に何度も何度も熟孝し、仕上げることの重要性を再確認するようだった。これ以上、世の中に不要なものを増やさないためにも、一つの作品が何も他のものを必要としないほどの満足感とか充足感を与えられるような作品を作りたいと思っていたことを思い出させてくれた。良い展示って、展示会場を出た時に、世界が変わるというか、世の中の見え方が変化するようなものだよな。ぼくもそんな展示がいつかできたらと思う。
羽鳥操『野口体操入門』読み始める。小作ことが芸術の真髄だと考えていた彫刻家が、筋肉をつけることによって、壮大な作品を作れるようになったという話が書かれていたが、なんか妙に納得。
話は戻って、田口和奈さんの展覧会『A Quiet Sun』、気分がスッキリとする展示だった。世に出る作品は捨てられるものではないから、丁寧に何度も何度も熟孝し、仕上げることの重要性を再確認するようだった。これ以上、世の中に不要なものを増やさないためにも、一つの作品が何も他のものを必要としないほどの満足感とか充足感を与えられるような作品を作りたいと思っていたことを思い出させてくれた。良い展示って、展示会場を出た時に、世界が変わるというか、世の中の見え方が変化するようなものだよな。ぼくもそんな展示がいつかできたらと思う。