朝6時に家を出て、ミラノへ。昼過ぎにPiotrのスタジオIMAGE CULTURE MILANOでPiotrと彼女Yegiと話す。夜、Teatro alla Scalaでウェイン・マクレガー『Chroma』を鑑賞。『Chroma』は、ジョン・ポーソンによるセットデザイン。劇場が四角であることを基本とし、内側と外側、入口と出口、光と影、空虚と充満といった建築的なモチーフを用い、ダンサーの身体を通して探求される空間的な緊張感に満ちたステージであった。光の当て方を変えることによって空間の形状や見え方が劇的に変化していく姿が印象的であった。劇場においては、ダンサーが主体ではなく、舞台があることがダンサーにとって最も重要であるということを示唆しているようにも感じられた。舞台なき劇場は存在しない。
それにしても、Teatro alla Scalaで人間鑑賞するのがどれほど楽しいか、ぼくはカフェでぼーっとしながら人を眺めているのがとても好きだ。これも同様に、Teatro alla Scalaにくる人々がどんな顔をして、どんな姿で、誰と来ているのか、何を考えているのかを想像するのがとてつもなく好きである。人生で初めてTeatro alla Scalaに来たのか、毎公演の初演に見に来ているのか、友人に誘われてきたのか、など。そんなことを考えていると、ミラノにTeatro alla Scalaを作ってくれ、その文化を楽しみながら継承している先人たちに感謝しないといけないと思った。ぼくたちは今のところただただ先人が作り上げてきたものを土足でドカドカと入り込み享受しているだけだ。