2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2025.10.20

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2025.10.20

 青空がグレーの雲の合間から覗いているような天気。急ぎ気味の風が雲を運ぶので、部屋の中に入り込む光も忙しい。遅めのランチの後、クロード・ソーテ『Vincent, François, Paul et les autres 』を鑑賞。クロード・ソーテは、ミッドエイジクライシスの男性を描くのが異常に上手い。というよりかは、ミッドエイジクライシス期に顕著に現れる人間の心情、欲望や軽蔑、嫉妬心、執着だけを描いていると思うほどである。描かれるのは常に人生に飽きたような、豊かな人生のなかで虚無を感じ、人生の闇へと吸い込まれていくような男性たちである。脆弱であるが、どこか強さがあるというような複雑な人間たちが登場し、悲観主義者をとても情景豊かに描いている。欲望や軽蔑、嫉妬心、執着などの人間の心情が静かに描かれ作品全体に深い陰影を与えている。ぼくの好きな映画監督の一人であることに間違いない。ミシェル・ピコリをみると、ぼくもこういう表情を持つ人間になりたかったといつも思う。
そのまま夕暮れのリビングルームのソファに寝そべり、片岡義男『珈琲を呼ぶ』を読み進める。内容を楽しむよりも感心しながら読んでいる。にゅうめんを食べて、ウディ・アレン『Annie Hall』を観る。久しぶりに観た。聖子ちゃんと明るい未来のポジティブで建設的な話をし、作業。結局27時過ぎまで起きていた。夜更かしをしてしまったので、明日は非生産的な日になりそうである。