Unite D’Habitationで朝食を済ます。小さい頃からこの建物で育ったのだろうことを想像させるような陽気で伸び伸びとしたマダムが、受け付けで新聞を読んでいる。出迎えてくれ、「クロワッサンか、パンオショコラか」と聞かれる。あとは自由にビュッフェだ。オレンジジュースも自分で絞り、バゲットも、ハムもゆで卵も、コーヒーもある。ビッフェなのに、すべて手作りされたようなものばかりで人間味を感じる。ペリアンのテーブルの上でオレンジジュースを絞り、バゲットを切った。たいそうな気もするが、それが本来のテーブルの使われ方でもある。ぼくたちがものごとを大袈裟にしている。
海沿いを走る83番のバスに乗り海を眺めながら街へ出た。直接的に見る海の風景よりも、窓越しや、人の背中越し、建物の隙間の風景が好きだ。
メガネを買った。買うつもりはなかったのだが、Unite D’Habitationの影響なのか、後押しされたように、特に金銭的な余裕があるわけでもないのに、だ。
夜は、再びパンやハムなどを買って、Unite D’Habitationの屋上でサクッと食べて、建物内のレストランでドリンク。当時、地元住人たちによる建設への反発がものすごく多かったという話を聞いたことがあるが、結果、街を大きく変えたのではないだろうか。街だけではない、そこに暮らす人たちをも。2泊だがここで過ごしていると、建物内で会う人たちと、自然と会話が生まれるし、見ていてもお互いに敬意があったし、住人たちの自分のいる場所に対する自信と信頼が見えた。豊かな時代に建てられた人間が人間らしく生きるための建物だなと思った。
それから、ここのレストランで使われていたウォーターピッチャーが、これまで使ったウォーターピッチャーの中で一番心地よかった。重量と、注ぎ口の水のキレ、形状、質感、全てがおいしく水を飲むために作られているようだった。世界中のすべてのものがこんなふうに感じられるものばかりであったら、世界はどんな風な姿を見せるのだろうか。
メガネを買った。買うつもりはなかったのだが、Unite D’Habitationの影響なのか、後押しされたように、特に金銭的な余裕があるわけでもないのに、だ。
夜は、再びパンやハムなどを買って、Unite D’Habitationの屋上でサクッと食べて、建物内のレストランでドリンク。当時、地元住人たちによる建設への反発がものすごく多かったという話を聞いたことがあるが、結果、街を大きく変えたのではないだろうか。街だけではない、そこに暮らす人たちをも。2泊だがここで過ごしていると、建物内で会う人たちと、自然と会話が生まれるし、見ていてもお互いに敬意があったし、住人たちの自分のいる場所に対する自信と信頼が見えた。豊かな時代に建てられた人間が人間らしく生きるための建物だなと思った。
それから、ここのレストランで使われていたウォーターピッチャーが、これまで使ったウォーターピッチャーの中で一番心地よかった。重量と、注ぎ口の水のキレ、形状、質感、全てがおいしく水を飲むために作られているようだった。世界中のすべてのものがこんなふうに感じられるものばかりであったら、世界はどんな風な姿を見せるのだろうか。