今夜、マドリッドのMaria Goyaでブックローンチをするので、朝4時30分に起き、5時に家を出る予定だった。飛行機に乗る時はぼくは急ぎたくないから昨夜のうちにほとんど全ての準備を終わらせ、ゴミをまとめて玄関に置き、ゴミ箱を洗い、セントラルヒーティングの設定をホリデーモードに変更した。コンセントも抜いた。昨夜は、なんだかんだとやっておきたいことを終わらせようと作業をしていると、結局時計の針は26時を過ぎていた。
東京で江藤さんの家に泊まらせてもらってからというもの、何気なくあれ以来ずっと毎朝お白湯を飲んでいるのだが、今日もお白湯を飲んだ。朝5時が来て、ゴミを先に捨てに行き、家に戻り、荷物を降ろそうとすると、聖子ちゃんが自転車の鍵がないと言い出した。バタバタと鍵を探していたが、その間にboltでタクシーがあるかを調べたら3分で到着するという表示になったので、ひとまずキャンセルし、「多分boltも大丈夫」とだけ伝えた。しかし、ぼくはできれば自転車で行きたかった。そもそも、聖子ちゃんの自転車の籠がグラグラしているので取り外さないといけないし、昨晩は雨が降っていたので、サドルも拭かないといけない。そんなことを昨夜のうちから話していたので、昨夜はゴミを捨てにはいかず、朝出発までの数分で籠を外し、朝露でサドルを拭き、ゴミを出しをするという話をしていたし、ぼくはそのつもりだった。しかし、鍵がなかった。そのつもりだったことが起きない時の対処があまり得意ではない。5時30分Den Haag Central発に乗らなければ、マドリッド行きの飛行機には間に合わない。自転車は諦め、boltで迎えを呼んだが、先ほどの3分が嘘かのように見つからない。日の出が8時41分のこの街で、朝5時に準備をしているboltのドライバーもかなり少ないようで、数分間のサーチの後、iPhoneの画面には待ち時間23分と表示された。その時時計はもう既に5時6分だった。駅までは車で8分で到着するが、23分は待てない。道でタクシーを捕まえるかとか、ぼくだけ自転車で行くか、いやヒッチハイクでもするか、と色々考えたが、考えてもいいアイデアが思いつかない。何よりもう時間も迫り自転車で向かうには立ち漕ぎしか選択肢がなかった。パリなら簡単にタクシーを見つけられるし、東京だって、夜中でも呼ぶことはできる。田舎町に住んでいる自分自身を恨みそうになった。iPhoneでひたすらにboltとUberとを交互に検索をし続けて5分以上が経った。先に道に出ていた聖子ちゃんから「タクシー来たから急いで」と電話があった。どういうわけかいつもこういう状況で彼女はとてもうまくやる、彼女の本当に得意な分野と言ってもいいだろう。ぼくはこれをエキサイティングだと思える時期はとうに過ぎ去り、心が締め付けられて大きく解放されてギリギリで行動することに、馴れてしまったと言いたいがこの心臓に悪い行動には馴れそうにはない。しかし、ぼくは彼女のギリギリにしか見せないこの不思議な力に何度も助けられている。
東京で江藤さんの家に泊まらせてもらってからというもの、何気なくあれ以来ずっと毎朝お白湯を飲んでいるのだが、今日もお白湯を飲んだ。朝5時が来て、ゴミを先に捨てに行き、家に戻り、荷物を降ろそうとすると、聖子ちゃんが自転車の鍵がないと言い出した。バタバタと鍵を探していたが、その間にboltでタクシーがあるかを調べたら3分で到着するという表示になったので、ひとまずキャンセルし、「多分boltも大丈夫」とだけ伝えた。しかし、ぼくはできれば自転車で行きたかった。そもそも、聖子ちゃんの自転車の籠がグラグラしているので取り外さないといけないし、昨晩は雨が降っていたので、サドルも拭かないといけない。そんなことを昨夜のうちから話していたので、昨夜はゴミを捨てにはいかず、朝出発までの数分で籠を外し、朝露でサドルを拭き、ゴミを出しをするという話をしていたし、ぼくはそのつもりだった。しかし、鍵がなかった。そのつもりだったことが起きない時の対処があまり得意ではない。5時30分Den Haag Central発に乗らなければ、マドリッド行きの飛行機には間に合わない。自転車は諦め、boltで迎えを呼んだが、先ほどの3分が嘘かのように見つからない。日の出が8時41分のこの街で、朝5時に準備をしているboltのドライバーもかなり少ないようで、数分間のサーチの後、iPhoneの画面には待ち時間23分と表示された。その時時計はもう既に5時6分だった。駅までは車で8分で到着するが、23分は待てない。道でタクシーを捕まえるかとか、ぼくだけ自転車で行くか、いやヒッチハイクでもするか、と色々考えたが、考えてもいいアイデアが思いつかない。何よりもう時間も迫り自転車で向かうには立ち漕ぎしか選択肢がなかった。パリなら簡単にタクシーを見つけられるし、東京だって、夜中でも呼ぶことはできる。田舎町に住んでいる自分自身を恨みそうになった。iPhoneでひたすらにboltとUberとを交互に検索をし続けて5分以上が経った。先に道に出ていた聖子ちゃんから「タクシー来たから急いで」と電話があった。どういうわけかいつもこういう状況で彼女はとてもうまくやる、彼女の本当に得意な分野と言ってもいいだろう。ぼくはこれをエキサイティングだと思える時期はとうに過ぎ去り、心が締め付けられて大きく解放されてギリギリで行動することに、馴れてしまったと言いたいがこの心臓に悪い行動には馴れそうにはない。しかし、ぼくは彼女のギリギリにしか見せないこの不思議な力に何度も助けられている。