2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.10.2

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2024.10.2

 ぼくのこの文章の愛読者を公言している吉田くんと一緒に家の周りを歩いていると「ここが日記に出てきたカフェですね、嬉しい」とか、「日記に出てきたビーチに行きたいです」とか言うものだから、恥ずかしさと同時に羨ましさを覚えた。人の文章や小説、作品の中に出てきたものに実際に出会えることなんてなかなかない。映画のロケ地を巡る人もいるが、この場所で描かれたのか、作られたのかと思うともっとその作品なり文章が身近なものに感じられるだろう。自分がこう書くと自分が偉大なことをしているような描き方になってしまうが、そういうわけでもなんでもない。
ぼくも、デン・ハーグに住みながらゴッホが住んでいた、フェルメールが時々絵を描きにきていた、スピノザがいた街であると思うと彼らの作品や文章が親密なものに感じるのである。