2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.8.22

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2024.8.22

どのくらいの別れが自分の人生を理解するために必要なのだろうかと思い耽るような感傷的な時間に浸りたい気持ちを無視するかのように、新しい来客を迎えるための準備や掃除洗濯に追われる。合間をぬって作り続けていたプロポーザルも完成した。うまく行くといいなと思う。
20時ごろ辻村さんが百戦錬磨たくさんの戦いを潜り抜けてきたような出立ちで、大荷物を抱えてDen Haag Central駅に到着。
オンラインと自分の思考を巡らせるばかりの日々で、それに加えてオランダの統一された街並みや、はみ出しもののうまれなさそうな合理性から生まれた整頓されたルールのある日常を過ごすぼくにとって、違う土地からくる来客たちはスペシャルなスパイスのように感じられる。彼らは彼らの人生における重要で楽しみな旅をしていて、彼らにも各々の感情があり、日常を抱えているのだが、ぼくからすると自分が忘れかけていたものを運んでくれているように思えてならない。しかし、その他者の日常や感情を触れることが都市部から離れ海の近くの街に住むぼくにとってはとても尊いことのように感じられる。もちろん人それぞれ感じ方も違うので聖子ちゃんと同じことを感じているとは思えない。辻村さんの娘リリ世ちゃんはぼくたちと同じ街に住んでいて、ぼくには子供がまだいないのでどんな風に感じられるのかさっぱりわからないが、親として自分の子供が育った街とはかけ離れた環境をもつ街での久しぶりの再会に何を想うのだろうか。気になるが、そんなことを話してくれるような人ではない。