2100年の生活学 by JUN IWASAKI : 2024.6.4

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2024.6.4

 朝8時に家を出て、Den Haag Central駅へ。久しぶりに飛行機に乗るので、あれこれと確認。Schiphol airportで荷物チェックの後水を買おうと思ったら4.9ユーロだったので、諦めた。ヨーロッパのIDがあるので、それで飛行機に乗れるのかなと思ったが、やはりパスポートがいるようだった。2時間ほどのフライトでバルセロナに到着し、Marcos Isamatと地下鉄の車中で待ち合わせをする。こんな待ち合わせ方もなかなかないしきっと楽しい方なんだろう思っていた通りで、堂々とし好奇心と自信に溢れた姿をした男性だった。地下鉄から地上に出た時に青空とその光を包んだ風に触れ自然と笑みが漏れた。青空が広がり暖かいというだけで、幸せな気分になる。ここのところいかにオランダの空気とグレーな日々に参っていたのかがよくわかる。そのままMarcosの家まであれこれと紹介してもらいながら歩き、家に到着してすぐに昼食を作ってくれた。昨日の残りのホワイトビーンズの入ったオムレツと昨日作ったガスパチョ、それからパンとチーズ、10分くらいだっただろうか、ささっと全て仕上がった。料理が大好きで、ずっとキッチンにいるということを話していた。Marcosの料理する姿を見て、この家は彼の身体から拡張されたような場所で理想的な姿だと思った。特にキッチンは、身体をメジャーにして作られたかのような構造であった。ついでに言うと彼の家のキッチンはガラススライドドアでテラスに直結していて常に開けっぱなしだそうだ。なのでとても広いしテラスのような空気を纏っている。結局、16時ごろまでキッチンで食事をしながら話す。ぼくも聖子ちゃんもこの家の動画や写真を見て憧れていたので、バルセロナに到着してどこにも立ち寄らず一番最初に到着したのがこの場所だったことをなぜか自慢したくなるほど鼻高々だった。その後、一緒にSantaColeの展示を見に行き、アートディレクターのAndreaと話す。どことなく友人Lizzieに似ていた。明日、バルセロナ郊外CardedeuにあるSanta&Coleのヘッドクオーターへ行くことになった。20時前にCarla Tarruellaのスタジオへいき、Carla4人でタクシーに乗って、レストランへ。Perico Pastorも合流しディナー。Pericoは飄々と歩いてきて、テーブルに着く前に一人ずつにネイビーの封筒をくれた。開けてみると、彼のドローイングが入っている。それは、最近のコミッションワークで描いたもので、写真でいうところのアウトテイクのようなものらしい。Pericoは、お店を選んでくれたようで、MarcosCarlaからここは美味しいのかと聞かれていて、「信頼してくれて大丈夫だ」と穏やかに頷いていて、全ての料理をオーダーしてくれた。ちなみにCarlaのペインティングは、コンセプトもビジュアルも素晴らしいものだった。都心のど真ん中のヴィンテージマンションの最上階にあるスタジオにいるだけでにやけるほどの心地よさを感じた。Carlaの自身もスタイルを持っていて、朗らかでさっぱりしている。その人のキャラクターが作品にも言葉や服装にも反映されていて、ぼくはそんな人たちがとても好きだなと思ったし、スタイルや趣味が違う中でお互いが人間というだけの共通点を持ってお互いに敬意を持っている関係というものにぼくは昔から共感している。ぼくの中学、高校の時は、みんながスケーターだろうが、ギャルだろうが、オタクだろうが、文化系であろうが、各々に自分のスタイルを持ち、それが同い年で同じ学校に通っているとか男だとか、同じ地域から通っているからというだけで共鳴していた。今でもそんな社会の姿に憧れている。ぼくが狭いコミュニティが苦手な理由は中学や高校の時に出来上がっているのだ。