金曜日。友人のStenが仕事をクビになったという。厳密にいうと、契約更新がなされなかったのだそうだ。仕事ができないのは、もちろん個人の問題であるが、同時に学生が働くような環境においては、仕事の魅力ーそれは時に楽しさと呼ばれ、時に学びなどと呼ばれるようなものーを与えてこなかったマネージメントの問題とも言えるだろうし、その人を教育するようなことをしなかったことも問題である。以前、Comme des Garçonsで働いている時に、何も教えようとしない男性上司にさらに彼の上司が、「色々と教えてあげないと誰もついてこないよ」と言っていた。それに対して男性上司は「会社は学校じゃないんだから教えてやる必要なんてない」と言っていた。その時は、「教える必要なんてものはない、背中を見て育て」というようなことだとぼくは理解したのだが、それらの考え方は仕事の環境に依存しているような気がした。学生には教えてあげる必要があるし、Comme des Garconsのようなここでしか働きたくないと思っているような人が集まる場所であれば、背中を見て育つだろう。
ぼくは、仕事を辞めるというのは理解できるが、働きたいと言ってやってきた人を一度雇ってクビにするというのがあまり理解できない。色々と言いたいこともあるし、個人的な問題すぎてなかなか言葉にするのが難しく、もどかしいのだが、多くの場合、人間が作り上げたはずの構造やシステムに弱者は搾取される。弱者の弱さを憂う時、村上春樹の卵と壁の話をいつも思い出す。たとえ、それが綺麗事だとしても、ロマンチックさを求める行為だとしても、それでも卵側に立ちたい。