ハーレムの郊外で電車を降り、アムステルダムへ自転車で向かう。途中、オーガニックファームFruittuin van Westに寄る。
アムステルダム市内に入ると、またトラムが止まっていて、人々が降車してゾロゾロと歩き始めていた。こんなに寒くて風が強いのに、である。移動手段ではなく、寒くて乗り物に乗った人も、疲れたので乗り物に乗った人もいただろう。毎回このような姿を見かけては、なんとも言えない気持ちにさせられる。交通網が破綻している街は、いつまでこの状態を続けるのだろうか。それはキャパシティをオーバーしているようにも見えるし、そもそも機能させることを諦めているようにも見える。対処を乗客に委ねているようにも見える。問題を起こさないようにすることもなく、問題が起きたら起きた時に考える、起きてしまったら人々は対処するしかない、ということを前提にしたような構造があるようにしか感じられない。もちろん何もパーフェクトな状態を保ち続けるということは難しいだろうし、何かを始めるのに準備が整ったなんてこともないだろう。始めてしまった方が簡単である。それでも、パーフェクトな状態を目指すことが重要であるとぼくは思うのだが、始めてしまうことは維持することよりも簡単なので、始めてしまっているやっているだけで、「問題はとにかく問題が起きた時にしか解決できない」のだ、と諦め半分に考えているのだろうか。その反応型の対処法がいかにもオランダらしい。大きな問題にはなっていないのは、結局問題を被った人たちが各々で解決しているだけなのだ。それはマインドセットとか切り替えとか、イライラしないような心にするとか、動ける準備をしておく、とか、そんな人間らしい対処法である。それでも彼らは機械を動かすために働いている人たちである。
休憩がてら立ち寄ったお店で久しぶりにケーキを食べたが、あまり美味しくなかった。なぜ人はケーキを食べる必要があるのだろうかと思った。ぼくは20代毎日のようにケーキを食べていたし、実家でもケーキを販売しているのに、そんな風に思ってしまうことは親不孝な気もしたが、それでも自分の感じたことを正直にここに記すならば、久しぶりに食べたチョコレートケーキ、それを食べるということ自体が不思議に思えてしまった。Huis MarseilleのTimに写真集を見てもらう。気に入ってくれている。寒く風も強い大雨の中を自転車で漕いでいたので、ずいぶん疲れたのか新しいアイデアが思い浮かんだので考え事をしていたら電車で本を読みながら寝てしまった。近鉄電車のように暖かいシートならまだしも、オランダの汚い電車の車内で、だ。19時に帰宅
この街で、トラムが止まっているのも、ケーキが美味しくないのも、結局、それが匿名の人のための行為でしかないからではないか。個人に対する親身な表現を目指したい。
アムステルダム市内に入ると、またトラムが止まっていて、人々が降車してゾロゾロと歩き始めていた。こんなに寒くて風が強いのに、である。移動手段ではなく、寒くて乗り物に乗った人も、疲れたので乗り物に乗った人もいただろう。毎回このような姿を見かけては、なんとも言えない気持ちにさせられる。交通網が破綻している街は、いつまでこの状態を続けるのだろうか。それはキャパシティをオーバーしているようにも見えるし、そもそも機能させることを諦めているようにも見える。対処を乗客に委ねているようにも見える。問題を起こさないようにすることもなく、問題が起きたら起きた時に考える、起きてしまったら人々は対処するしかない、ということを前提にしたような構造があるようにしか感じられない。もちろん何もパーフェクトな状態を保ち続けるということは難しいだろうし、何かを始めるのに準備が整ったなんてこともないだろう。始めてしまった方が簡単である。それでも、パーフェクトな状態を目指すことが重要であるとぼくは思うのだが、始めてしまうことは維持することよりも簡単なので、始めてしまっているやっているだけで、「問題はとにかく問題が起きた時にしか解決できない」のだ、と諦め半分に考えているのだろうか。その反応型の対処法がいかにもオランダらしい。大きな問題にはなっていないのは、結局問題を被った人たちが各々で解決しているだけなのだ。それはマインドセットとか切り替えとか、イライラしないような心にするとか、動ける準備をしておく、とか、そんな人間らしい対処法である。それでも彼らは機械を動かすために働いている人たちである。
休憩がてら立ち寄ったお店で久しぶりにケーキを食べたが、あまり美味しくなかった。なぜ人はケーキを食べる必要があるのだろうかと思った。ぼくは20代毎日のようにケーキを食べていたし、実家でもケーキを販売しているのに、そんな風に思ってしまうことは親不孝な気もしたが、それでも自分の感じたことを正直にここに記すならば、久しぶりに食べたチョコレートケーキ、それを食べるということ自体が不思議に思えてしまった。Huis MarseilleのTimに写真集を見てもらう。気に入ってくれている。寒く風も強い大雨の中を自転車で漕いでいたので、ずいぶん疲れたのか新しいアイデアが思い浮かんだので考え事をしていたら電車で本を読みながら寝てしまった。近鉄電車のように暖かいシートならまだしも、オランダの汚い電車の車内で、だ。19時に帰宅
この街で、トラムが止まっているのも、ケーキが美味しくないのも、結局、それが匿名の人のための行為でしかないからではないか。個人に対する親身な表現を目指したい。